ジェリーフィッシュは凍らない 読了。

 

 

第26回鮎川哲也賞受賞作品『ジェリーフィッシュは凍らない』、読了しました。

いや〜つらかった。

読むのにホント苦労した。

とにかくつまらなかった。

ひと言でいうとそれに限る。

「21世紀の『そして誰もいなくなった』登場!」というからにはそれなりの質があるのかな?と思ったのですが・・・・・

個人的に「面白くなかった」と思う理由を考察。

1.ワンパターン
大体こういう作品にありがちなパターン。
閉じ込められる→女がヒステリーを起こす。→自分たち以外にも誰か居るのでは?→安全のためにみんなで調べよう・・・・みたいな。

わかりますよ。
「小説」として成り立たせるためには、いろんな可能性を排除して読者に見せなくてはならない。
だから様々な「可能性」を排除させる「場面」を設定しなくてはならない。
でも、「閉じ込められた」時点で「はいはい、この先こんな感じでしょ?」「こうするんでしょ?」ていう展開が読めすぎて、そして案の定そうなって、眠くなる眠くなる・・・・・・

2.場面があちこちいく
最近の本格ものの特徴でしょうか。
場面が「ジェリーフィッシュ」「地上(警察)」「犯人の回想的場面」が交互に来るので、やっと集中できたと思ったらまた時制が変わり、やっとなれたらまた時制(場面)が変更して・・・・・と集中力がそがれまくりました。

3.綾辻行人、有栖川有栖が大好きな「犯人の場面」
これいる?っていつも思います。
「私は最後の一撃をあいつに食らわしてやった・・・・・」
「何度も何度も、彼女の恨みの思いを込めて、私は鈍器を持った手をあいつの頭に振り下ろした・・・・」
てきな場面。
もうあきあきです。
「またこれですか・・・・・」って思う。

4.なぜか設定が海外。
名前が外国人なので、名前が入ってきづらいです。
内容的(軍事を取り扱っている)に海外で設定しなくてはいけなかったのでしょうか?

5.女上司の変人っぷりなど、「人物」に力を注ぐあまり、場面を描ききれていない。
会話が中心なのはいいのですが、女上司と部下の男性の対比と面白さに終始して、そちらに力を注ぎすぎて、シーンがいまいち想像できない。

ですかね〜。
ただ、「新人賞」作品としては非常に質が高いと思います。
この作者の作品をまた買うか、といわれたら「買うかも」と言えます。
何回も読みながら寝てしまいそうになりましたが、なんか「これからどんな作家さんになるか見て行きたい・・・」とは思います。

このまま行くと、綾辻行人、有栖川有栖、東野圭吾を中心とする「一切人物(の心情)が描けていない」「人間」が作品に一切ない←動機がいまいち理解できない作品ばかり、という作品を量産してしまう可能性はありますが・・・・・
この作者「人間」を描けるようになると、かなり素敵な作家さんになると思いました。

この本
面白度  2/10
おすすめ度  3/10

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